her/世界でひとつの彼女(字幕版)

2013年 アメリカ映画
原題 : her
監督 : スパイク・ジョーンズ
主演 : ホアキン・フェニックス
助演 : スカーレット・ヨハンソン

近未来のLAが舞台。離婚調停中の疲れた中年と新型OS(人工知能)の恋物語。
ジャケットから映画のイメージが全くしないので損をしている気がするけど、美しい映像、細かいインテリアやエキストラの衣装まで全てに拘って制作されている映画。
音楽も美しい。

主演のホアキンはこの映画の20年前に亡くなったリバー・フェニックスの弟。
OSの声を演じるのは「ロスト・イン・トランスレーション [DVD]」でこの映画の監督スパイク・ジョーンズの妻役を演じている。

スパイク・ジョーンズは「怪獣達のいるところ」やビースティーボーイズ、ビヨークのミュージックビデオの監督でも有名だけど、スケートボーダーにとっては「Yeah Right [DVD] [Import]」等のスケートビデオの監督のイメージが強い。
このスケートビデオの10年後にこんな素晴らしい映画を作るなんて。
成長し続けて、常に新しい世界にチャレンジしている人だな。


胸ポケに入れたOSとデート中
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ITのグローバル企業に身を置いているの立場からすると、これに近しいことは既に始まっている気がする。

機会学習により未来予測するソリューションを実際に扱っているけど、ひとつのエンジンに全世界の顧客データを全て入れた上で最適化され進化し続けている。

都心を歩いたり、電車に乗っていて気づくこと。
特にここ数年のスマホ普及率に伴っているのかもしれないけど、カップルを見かけなくなった気がしている。

皆、独りでスマホを弄っている。

恋人とわかり合えたと思っても実際は表面的な部分だけかもしれないし、別れてしまえばまたゼロからスタート。

それよりは、SNSでの薄いつながりを好む人が増えているのかも。

携帯電話が普及する前は、デートの約束は自宅の電話にかけていた。
お父さんで出たら嫌だなとか、いろいろハードルは高かったけど、それを超えてでも好きな人にコンタクトをとりたかったものだ。

携帯電話普及後は、直接電話で話すよりメール。

メールでの直コンタクトもだんだんと重たくなってきて、SNSで繋がっているだけ。

友人や恋人との接触機会よりも、コンピューターと触れ合っている時間のほうが実際長い。

そこからこらこの映画を作り出したスパイク・ジョーンズは鋭い人だと思う。
常に時代の最先端を生きている。